名古屋別院の鏧と鏧台
別院にある鏧台の写真を集めてみました。携帯で撮った写真ですので画像が悪いです。
集めてみて思ったのですが、鏧の多さに驚いています。
鏧台をはじめ仏具を持つ場合、基本は一番下を持つように教わっています。便宜上、繰り抜きのところに指を入れたり、上を持つこともありますが、良くありません。必ず下から持ちます。
金箔の場合、金箔のところは触れませんが、下面だけで持つのは不安定です。一番下を持つ場合でも、側面は金具のところを持ち金箔に触らないようにして持ちますが、それでも不安定で持ちにくく、結局金箔に触ってしまい、剥れてしまうことがあります。
雲輪は(鏧を打つ位置が低いと打ちにくいので)鏧を打つ高さ(位置)を上げる役割があるのだと思います。
雲輪は滑ってスライドする利点があるから必要であると(経験上)思います。たぶん雲輪なしで紅輪だけでは、スライドせず、打った瞬間に鏧が横に転がってキン台にあたるか下に落ちるかしてしまうような気がします。(実際打ったことはありませんが…)
そうそう、言うのを忘れていました。雲輪がスライドする?って聞いた事ないかもしれません。何か話しが変だなと思われたかもしれません。
というのは通常、紅輪の上でキンが滑って傾いたり、紅輪から飛んでいったりしますので、雲輪がスライドすることは先ずないのではないでしょうか?
別院では報恩講などの大きい法要では、おもいっきり強くたたくので、よく鏧が飛んでいきます。そのため、紅輪に輪ゴムを巻きつけて滑らないようにしますので、ほぼ固定されます。結果、力が逃げる場所がなく、雲輪ごとスライドしていくのです。そんなに強く叩かなくても、と思われるかもしれませんが、御堂が大きいために、おもいっきり強く叩かないと報恩講などでは物足りないのです。
単に、鏧が飛んだり、雲輪が移動したりするのは、鏧の打ち方が下手クソなだけ、という話もありますが・・・
あまり参考にならないコーナーになってしまい、失礼しました。
たまに、強く打たないでも紅輪から滑って傾いてしまう鏧があります。
輪ゴムでなくてもよいのですが、輪ゴムを巻く場合、意外と輪ゴムの劣化は早いので気をつけてください。ゴムが硬くなって切れたり、雲輪や鏧に輪ゴムが引っ付いて取れなくなる恐れがあります。ゴムによっては1年持たない場合がありますので、ご注意ください。
「鏧台に関しては、経鏧・平鏧を問わず、制約があるわけではありませんが、鏧の大きさに合ったものを選ぶのがよいでしょう。
鏧台がなぜこのような形をしているかといいますと、古来、鏧は礼盤の畳の上に置かれており、それが外陣に降りても旧の形を保持するため、礼盤と似た形の台がしつらえられたという説があります。」
『真宗大谷派の荘厳全書』より
その当時御堂形式や礼盤がどのような形をしていたか分かりませんが、礼盤の畳の上に置かれていたということは、今では想像できません。
向畳に小さいケイを置くことは今でもあるそうですが、礼盤畳に鏧を置くスペースがあったのでしょうか。
現在は内陣で平鏧や経鏧を打つことはありません