「正信偈」をお勤めする時、間違えていることに気づかないことがよくあります。(声明本によって多少違うところはありますが)声明本通りに読むということが基本となるものでしょう。
今回は「大谷声明集 上」(S52年4・30印刷、S52年9・1発行)の「正信偈草四句目下」を見ながら、よく門徒さん等が間違えやすいものの凡例をあげてみました。
※「誓」はすべて「せい・ぜい」と発音するものとする
※「ん」はすべて口を閉じて発音するものとする
※門徒さんに教える場合、鼻にかけてノム扱いのことは問題にしないものとする
(拍子によってのばすところは「ー」であらわしています)
・法蔵菩薩因位時 ○いんにーじー ×いんいんじー
・超発希有大弘誓 ○ちょうほッけーうー ×ちょうほーけーうー
・即横超截五悪趣 ○ちょうぜッ ×ちょうぜー
・仏言広大勝解者 ○しょうげーしゃー ×しょうげッしゃー
・是人名分陀利華 ○ぜーにん ×ぜんにん
・必獲入大会衆数 ○えーしゅーしゅー ×えーしゅッしゅー
・道綽決聖道難證 ○どうしゃッけッしょう×どうしゃーけッしょう
・至安養界證妙果 ○しあん ×しやん
これらは門徒さんに教えている時に、実際に門徒さんが間違えてお勤めをしていたものの一例です。このようにみてみると、単なる思い違い、読み癖の他に、ツメルところを伸ばしたり、伸ばすところをツメたりすることが多いようです。
また、「至安養界」のように「し」の口から「あ」を発音する場合「や」の発音になってしまうようなパターンもあります。
それから、「発」の発音はツメルものと伸ばす(ノム)扱いと両方ありますが、声明本によって標記が違うこともあるように記憶しています。「常覆真実信心天」の「真実」や「常向鸞処菩薩禮」の「(菩)薩禮」なども同様、ツメルものと伸ばす(ノム)扱いのもと両方あるようです。
他には「かん」を「くわん」、「がん」を「ぐわん」と書いてあったり、「こんりゅう」を「こんりう」とワリ字で書いてあったりする声明本もありますが、門徒さんに教える時はあまり気にせず教えています。 お寺さんに教える時は、ということは、また次の機会にと思います。
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