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平キンの撥捌きについて
平キンの撥捌きについてまとめてみました。

(外陣調声)
●調声人がキン役を兼ねる場合

 @先ず総礼(合掌)。
 A合掌を一度とき、キンの撥捌き。
 B一度撥を置き、再び合掌。
 C合掌をとき(お経の場合は頂いてから)撥を持ち、キンを打つ。
  
※基本的には一人一役なので、調声人がキンを打つことはないといわれているそうです。
※総礼中に撥捌きをする扱いなので、撥捌きが終わってから再び合掌する。



(外陣調声)
●調声人とキン役が別の場合

 @調声人と一緒に総礼。
 Aただちに合掌をとき撥捌き。
 Bそのまま撥を構え、調声人が合掌をとくのを待つ。

※調声人が合掌を解いてすぐ打たない。
 特にお勤めが軽い時には、合掌をといてすぐキンがはいると調声が出しにくいので、合掌をといた手が膝の上に置くくらいでキンを打つと良いと教わった。
※お経の場合、キン役は経本を頂かず調声人が合掌をとくのを待つ。
 調声人が合掌をといて経本をいただき、経本を開いたのを確認してキンを二打、キン役は調声があがった後に経本を頂き、お経を読みはじめる。



(内陣調声)
●法要の最初、総礼中に焼香のある場合(例:重たい法要の逮夜等)

@総礼、調声人が合掌するのを確認して中尊・祖師前等の代香役(焼香する人)がでる。
A中尊の代香役がご本尊の横で平伏、須弥壇の角に来たあたりでキン役は合掌をとき撥捌き、一度撥を置き、再び合掌。
B中尊の代香役が焼香を終え、須弥壇の角に戻ったあたりで撥を持ち、構え、調声人が合掌をとくのを待つ。



(内陣調声)
●法要の最初、総礼中に焼香のない場合(例:晨朝等軽い法要)

@上臈出仕、調声人が後門から出仕し、竪畳よりを歩き須弥壇の角にさしかかったあたりで撥捌き。
A総礼、合掌し、ただちに合掌をとき撥を構え調声人が合掌をとくのを待つ。



●登高座のある場合(例:報恩講式嘆徳文)
 @下高座の伽陀、四句目の中淘で撥捌き。
 A伽陀が終わり総礼、合掌し、ただちに合掌をとき
  撥を構え調声人が合掌をとくのを待つ。



●登高座、経キンの撥捌きについて
 @磬(ケイ)一打で撥捌き。
※もしくは、表白等ある場合、表白後に伽陀、四句目の中淘で撥捌き。

※撥捌きは式次第によって変わるが、キンを打つ直前でするのが基本である。



※内陣出仕で調声人がキン役から見えない場合や見づらい場合は、外陣方の調声人が見える人にあらかじめ合図をもらえるように頼んでおく必要があります。本山からご連枝等がみえたりする場合は、たとえキン役の位置から見えたとしても、見づらい場合は堂衆の方に合図をもらう事があります。特に、ご門首が向畳(むこうじょう)に座られる場合は、間違いのないように必ず堂衆の方に合図をもらうようにした方が良いでしょう。

 堂衆の方でも合図の仕方はまちまちです。こちらを見て、ゆっくり頭を下げられる方。すばやくこっちの方を見る合図の方。
急ぐ必要はありませんので目と目を合わせ、確実に合図を確認をしてからキンを打てば良いのですが、緊張しているとそのようにはいきません。合図を待つということは、キンの打つスポットから目を離すことになりますので、よけいに緊張してきます。


 正信偈の始めのキン2打等、お勤めでキンを打った後、調声にキンの音がかかる場合、左手でキンの下の方を触り押さえて、徐々に上の方へ手をすり上げて、キンの音を小さく消していきます。下の方は押えてもあまり音に影響ありませんが、上の方を直接触ってしまうと急に音が死んでしまいます。作法的にもそうですが、下の方からすり上げていくと自然な感じで音を消していくことができるので必ず下の方から手をあてて消していきます。
 逆に言うと、念仏の調声の後のキンは音を消す必要がないので、そのようなことはしません。癖といいますか、いつもの習慣で音を消してしまう人もいますが、基本的にはキンの音が調声にかかって聞きにくくなるといけないいのでする作法ですのでする必要はありません。


 普通の平キンの場合、中指を中心に2・3本の指先で充分ですが、大キン(経キン)の場合少し指先で触ったくらいでは中々音は消えていきません。手の平を当てるように接する面積を大きくして、やはり下の方から手をあてて音を消していきますが、その場合数珠がキンに当ってしまうことがあるので、数珠がキンにあたらないように配慮しなくてはなりません。何本の指で音を消していくかは別にして、やはり作法としては指を広げずに揃えて行うのが基本になると教わっています。

あくまでも調声に邪魔にならないために音を小さくしていくことが重要です。ある程度音が消えればそれ以上音を消す必要はないでしょう。いかに自然に音が消えていくか、どのようにすれば調声が出し易いか、ということを心がけて行う方が神経質に音を完全に消してしまうより自然に聞こえると思います。
 回向のキン3打して総礼、合掌しますが、いつまでもキンの音が鳴っていては合掌を解くことができませんのでやはり音を消していきますが、余韻ということもありますので、この時も自然に音がなくなるように消していきたいものです。キンの音色が消えたら、撥さばきをし、再び合掌をし、お勤めが終わります。
























 

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