國土が増すことだから是非始めて呉れと許可を得て始めた
所が今の中川運河辺が切れて何度繰返して築いても切れるので屈託(くったく)していると 或る晩 枕辺で景義景義と起こす人があるので見ると観音様が立って居られ
景義おまへは奇篤に築こうとしているがまだ時機が至らぬ もうしばらく待て やがて西の空から白鳥が飛んで来て必ず降りる さすれば必ず築けると教えられ
毎日人足共に見張らせた 数日の後に果たして白鳥が飛んで来て降りたので力を得て築造したれば もう完全に澪(みお)が止まって成功した
地割りを観音様の御礼に三十三区に地割り 一番割より三十三番割とし観音像を各割に安置して供養した